いつか、このどうしようもない想いが消えるまで。
「謝んなよっ。全部っ……俺が悪い……」
あたしの背中で、パンの袋がクシャっと潰れる音がする。
「……、」
きっと知ってるんだ……律くんは。
あたしの心変わりを。
「ぜんぶぜんぶっ……俺のせいっ……」
苦しそうに吐き出すその声は。
黒崎くんと接点をもつきっかけを作った自分が悪いと責めているように聞こえた。
そのとき、あたしは自分の頬が濡れてるのに気づく。
あ……。
我慢してたのに、目をつむったときに一筋こぼれたのかもしれない。
あたしの涙を見て、律くんは……。
黒崎くんに心が揺れてることなんてとっくに見抜かれてて。
その上で直接あたしに投げかけた律くんの勇気を、結局は態度で踏みにじっちゃったんだ。
ごめんなさい、律くん……。
それでもきつく抱きしめ続ける律くんに、あたしは肯定も否定も出来ず、ただ体を預けていた。
日影は完全になくなり。
夏を告げる太陽が、あたしの背中を責めるように、ジリジリと照らしていた。