いつか、このどうしようもない想いが消えるまで。

その動向がどうというより、黒崎くんについて何かが分かるなら……と、そこから意識も視線も逸らせない。


ふと、視線を感じて首を横に振れば、少し離れたところから律くんがあたしに目を向けていて。


……っ。

思わず目を逸らしてしまった。


律くんには、"そうだ"と認めたわけじゃないのに。

これじゃあ黒崎くんが気になってしょうがないのがバレバレだな……。


やってしまった、とタメ息をつきながらも黒崎くんが心配なのは変わらない。



「黒崎くん……ほんとに病気だと思う？」



余命がどうのなんて、大げさに決まってるけど。

ちがうという言葉を聞きたくて万葉ちゃんに尋ねて失敗したと思ったのはその直後。



「……万葉、ちゃん……？」



黙ったまま腕を組みをしてあたしを見るその目は、どうみても何かを疑っている。


……うわっ。



「……どうだろうねえ。てかさ、やっぱりどうかしちゃったの？」



まるであたしの心を射抜くかのような目。

ただ単にクラスメイトを心配してるだけとは捉えてくれなかったみたい。