いつか、このどうしようもない想いが消えるまで。



えっ!?



「違う違うっ!」



万葉ちゃん、なにか誤解してない??



「え?なにがちがうの?黒崎が美優を律から横取りしようとしてるんでしょ?」


「違うってばぁ……」


「はぁ?なにがどう違うのよ」


「黒崎くんは……関係してて……関係ない……」


「……」


「……」


「やだ、まさか、美優が……?」



万葉ちゃんの目が見開かれていく。



「…………うん」



誰かに認めたら終わり。

そう思っていたのに。

逃れられず言ってしまったことで、封印するはずだった想いのたがが外れていくような気がした。



「実はね……」



もう後には引けなくて、あたしはこれまでの経緯を説明した。



「えっ!?キス……!?」


「万葉ちゃんっ!」



相変わらず声が大きい万葉ちゃんをいちいち止めるのは大変だったけど。

全部話し終える頃にはその口は勢いをなくし、まるで100メートルをダッシュしたかのようにグッタリしていた。


……まあ……ヘビーな話ではあると思う……。

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