いつか、このどうしようもない想いが消えるまで。
「えっとお……美優が浮気しちゃったかもと思ってたら律が浮気してて、でもいつの間にか美優も浮気みたいになっていた……と。でも結局は律は浮気してなかった……」
頭のなかを整理するように、目線を上にあげながら万葉ちゃんが要点だけをまとめていく。
客観的に整理されると、誤解の上のすれ違いの激しさにめまいがしそう。
ほんとにあり得ない話だと思う。
「てかさ、やっぱりどう考えても黒崎が悪いよね?」
廊下の窓枠に肘を乗せながら憤慨する万葉ちゃんは、納得がいかなそう。
「美優を落とす気があったならともかく、ただの嫌がらせだったわけでしょ!?」
胸がズキンと痛む。
話だけ聞いたら、ほんとにひどい人。
そんなひどい人にどうして惹かれたのかな……。
「落としといて知らん顔なんて無責任すぎるっつーの!!!」
最終的には激怒する万葉ちゃん。
巻き舌気味に放つそれに、ちょうど側を通りかかった男子生徒が「怖っ」と言って去っていく。