いつか、このどうしようもない想いが消えるまで。
「ちょっと万葉ちゃん、落ち着いて……」
声が大きくなってるのもそうだけど、万葉ちゃんの言ってることが何一つ間違ってないからこそ、胸が痛い。
落とすもなにも、そもそも黒崎くんはそんなつもりもなかったんだろうし、勝手に恋心を抱いたあたしが悪いんだ。
「律と黒崎なんて水と油、雪と墨、名字のとおり白と黒……って全く正反対の黒崎のどこに惹かれたの?」
そう言われて初めて考えてみた。
恋はするものじゃなくて落ちるもの、とはよく言ったものだけど。
考えてみると……。
「律くんにないものに惹かれた気がする……」
有り得ないくらい強引で、ズカズカと人の心の中に入ってきて。
だからこそ、ごくたまに優しくされると体がしびれた。
黒崎くんは優しくしてるつもりはないかもしれないけど、それを優しさだと思えるほどの包容力があった。
「うわああー、今、完全に律をノックアウトしたね」
「そんなつもりはっ……」