いつか、このどうしようもない想いが消えるまで。



「いいんだよ。それが恋ってやつだから。自分の気持ちに素直になるのが一番だよ。普段自分の意見を通さない美優が、自分の気持ちを隠せないくらい黒崎を好きなんだって思ったら、逆にうれしい」



そう言って、肩に優しく手を乗せた。

責められるはずのあたしの想いを理解してくれるように。

少しだけ心が軽くなる。



「……ありがとう……万葉ちゃん」


「どうせ美優のことだから、律のためとかいって想いを振り払おうとしてるんでしょ?」



さすが万葉ちゃんだ。見透かしてる。

それで苦しんでいるあたしの心を。


曖昧に苦笑いを返すと、万葉ちゃんは寄り添うように眉根を下げたけど、返ってきた言葉は厳しかった。



「相手のためだけにする恋愛なんてしちゃダメ。裏切りたくないとか傷つけたくないとかで続けていけるほど簡単なものじゃないはず。それって結局自分がいい子でいたいだけで、相手を傷つけてるのとおんなじことだからね?」


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