いつか、このどうしようもない想いが消えるまで。
図星を刺されてぎしぎしと胸が音をたてた。
「恋愛の場合、それは思いやりって言わない。偽善っていうの」
間違ってない。
万葉ちゃんの言うことはなにひとつ間違ってない……。
「美優の気持ちは明日になった消えるようなそんな甘いものじゃないでしょ?だってさっきの美優、今思えば死にそうな顔してたもん。そのくらい、いま黒崎がどうしてるか心配でたまらないんでしょ?」
うん……。
今だって、胸が張り裂けそうなくらい黒崎くんが気になって仕方ない。
「とにかくさ、黒崎がほんとにあと半年の命なのか確かめてきたら?」
「へっ!?」
万葉ちゃん……さすがにそれは冗談だと思うんだけど……。
「家でもなんでも押しかけてみればいいじゃん。一目逢えたら安心するでしょ」
「そ、そんなこと出来ないよっ……!!」
恐ろしいことをサラッと言っちゃう万葉ちゃんに唖然。
あたしにそんな行動力ないのがわかっててっ……。
「どうだろうねぇ……恋の力って、時には自分でもびっくりすることをしでかすものだよ」
万葉ちゃんが意味ありげに呟いた時。
キーンコーンカーンコーン。
頭上でチャイムが響き渡り。
「戻るよっ」
来た時と同じように手を引っ張られ、あたしは教室へ戻された。