いつか、このどうしようもない想いが消えるまで。



すると、みるみる顔を赤くする万葉ちゃん。


恥ずかしそうに「ありがとー」と間延びした声で言ったあと、やっぱり腑に落ちないように訴える。



「でもさー"彼はあたしの!"みたいな証が欲しいじゃん?」


「そういうものかなあ……」


「美優は独占欲がなさすぎるよ!もっと、律はあたしの!ってアピールしなさいよ」


「そ、そんなことできるわけないよっ……」



万葉ちゃんのカップルと、あたしの所はちがう。

美男美女のふたりを誰もが認めてるし、マサキくんに言い寄る女の子の話なんて聞いたことない。


それに比べて、あたしは……。



教室の前の方で、ワイワイと賑わっている一角に目を向けた。


そこには友達に囲まれながらお弁当を食べている律くんの後ろ姿。

女の子も数人交じってる。


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