いつか、このどうしようもない想いが消えるまで。
そんなにまでもお兄さんのことを思ってる黒崎くんと小野先生は、どうにかして分かりあえたりしないのかな。
もっと素直に想いをぶつけてみたらいいのに……。
「……あの、余計なお世話かもしれないけど、黒崎くんと小野先生の間には、なにか誤解があるんじゃないかな……」
「ほんと余計なお世話」
調子に乗ったあたしの言葉をバッサリ斬った黒崎くんは話題を変えた。
「で、プリントって」
「あ!」
棒読みで催促されて思い出した。
ほんとの目的はこれってことにしないと。
部外者のくせに首を突っ込むなんてほんと余計なお世話だよね。
もうやめよう。
「はい、これです……」
抱えていた封筒を渡すと、黒崎くんは中身をチラッと確認してからソファに放り投げた。
わっ!
大切に持ってきたのに放り投げるなんて……!
「どいつもこいつもご苦労なこと」
「それ、なに?」
「俺が休んでる間の授業のポイントとかまとめたやつ」
興味なさそうに封筒をひっくり返すと、出てきたのは……。
先生たちが自分で作った感じのノートやプリント。
見えただけでも数学に古典に世界史……そのほかにもありそう。