いつか、このどうしようもない想いが消えるまで。



「すごっ……」



普通、休んだってこんなものくれないよ?

あたしが去年インフルエンザで4日間休んだときなんか、ひーひー言いながら万葉ちゃんにノート見せてもらったもん。


いいなぁ。

なんならそれ、あたしが欲しいくらい。



「うらやましい?」


「ものすごく」



間髪入れずにうなずいた。



「じゃあさ、サボっても注意されるどころかこんなに丁寧にノート取ってもらえんならアンタ学校行く?」


「……え?」


「俺、これでもオール5なんだよ」


「……」


「アンタも知ってんだろ、岸本が頭悩ませてんの。テストは真面目に受けないくせに成績がトップなもんだから、そのフォローに必死なんだろ」



どういうこと?

最下位なんじゃないの?

なのに成績はトップって。


状況が飲みこめずポカンとしていると。



「理事長の息子が最下位なんかじゃ学校としても困るんだよ。だから成績表はすべて偽装」


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