いつか、このどうしようもない想いが消えるまで。



……ものすごいことを耳にした気がする。

あの日職員室で、最下位だと聞いたよりも。



「え……。じゃあ、どうして黒崎くんはわざわざテストで最下位を取ってるの……?」



反抗だと思ってたけど、それなら意味がないんじゃ。

なのに、どうして。



「父さん困らせてみたいなんて幼稚だろ」


「……」


「なのに学校が隠蔽するからただのイタチごっこ。笑えんだろ」



はっ、そう言って乾いた笑いを見せた黒崎くんの瞳の奥に。

言葉の裏の本心を垣間見てしまった気がした。


それなりに将来を期待されて、色々とあるかもしれないって思ってた。

反発もしたくなるだろうし、親に反抗するのも想定内。


なのに黒崎くんは、そんな気持ちすら気づいてもらえないってこと……?



「ハッキリいって俺なんていてもいなくてもいいわけ」


「……」


「成績表上トップの黒崎柊哉がいれば」


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