いつか、このどうしようもない想いが消えるまで。
独占欲なんてとんでもないよ……。
あたしの隣に律くんが居てくれること自体、奇跡みたいなものなのに。
その背中をジッと見つめていると、律くんがふと振り返った。
ニコッと笑いかけられて笑い返す。
でも。
また白いシャツの背中に変わった時、あたしの顔は曇っていく。
夢であってほしかった昨日の出来事は、やっぱり現実だった。
感覚を覚えてない夢とはちがって、唇にはちゃんと感触が残ってる。
……今でも……。
あんなのさっさと忘れちゃえばいいのに。
あまりにも衝撃過ぎて、一日たった今日だってうまく律くんと顔が合わせられなかった。
放課後の教室のこと。
どこで誰が見てるかもわからないし、律くんの耳に入ってる可能性もあるから。
悪意があるなら黒崎くん本人がもらすことだってある……。