いつか、このどうしようもない想いが消えるまで。



学校では先生やクラスメイトから気を使われているのに、家でそれを癒してくれる人もいなくて。

それどころか、一番支えてほしい家族にさえプレッシャーを掛けられて。

たったひとりで。


お兄さんのためにあそこまでする熱い心を秘めてるのに。


無愛想で冷たく振る舞っているのは、淋しい想いの裏返しだった?

今までどれだけの想いをしてきた?


そんな彼の心を分かりたい。

そう思うのに、どうしていいのかさえもあたしには分からない。

でもただひとつ……。




「……黒崎くん」


「……」


「学校に来てよ」



こんなところにひとりで閉じこもってたら、もっともっと心が壊れちゃうよっ……。



「……あ?なんでだよ」



なんでって……。



「黒崎くんが……いないと……」



……いないと。



「……なんだよ」


「と、隣がいないのって目立つの!おかげであたし授業中によく当てられて困るのっ……」


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