いつか、このどうしようもない想いが消えるまで。




……ウソ。

ほんとは、さみしいから……。


学校に来れば、黒崎くんだってひとりぼっちじゃない。


だけどそれよりも強く。

……会いたい。



もうダメだ。

あたし、やっぱり黒崎くんが好き。


頭で善悪を考えて制御できるようなそんな簡単なことじゃないんだよ、人を好きになるって。


万葉ちゃんの言ってた通り、そんな甘いものじゃない。

彼氏がいるから気持ちに蓋をしようとか、そんな常識で物事を考えられるレベルじゃない。

頭でダメだと思ったって、そんなもの簡単に打ち消してしまう。



「……」



ペラペラと喋り過ぎたあたしに、黒崎くんは無言のままジッと視線を注ぐ。


とってつけたような理由、怪しかったかな。

でも困ってるのは本当。

黒崎くんがいないとあたし、さみしくて困るの……。



ちらつく律くんの顔を目を瞑って消したあたしは最低だね……。


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