いつか、このどうしようもない想いが消えるまで。

歪んだ恋に終止符を





「柏木」



翌日。

英語の授業が終わり、辞書をしまおうと廊下にある自分のロッカーを開けていると、通りかかった岸本先生に声を掛けられた。



「昨日はありがとうな、プリントを届けてくれて。どうしようかと思っていたから本当に助かったよ」


「いえ、ついでですから……」



膨大なプリントがはけてそんなにうれしかったのか、岸本先生は肩の荷が下りたようにすがすがしい顔をしている。



「もしかして黒崎に言ってくれたのか?」


「なにを、ですか……?」


「柏木が出てくるように言ってくれたんじゃないのか?驚いたよ」



驚いたのは岸本先生だけじゃなくてあたしも。


理由は。

黒崎くんが今日、久しぶりに登校して来たから。



「いえ……あたしはなにも」



隣がいなくて当てられて困ってるなんていうあたしの言葉をうのみにしたとは思えないけど。

あたしが訪ねたことが、黒崎くんの心に変化をもたらしたのならそれはうれしい。

怒らせただけかと思っていたから。


「本当に助かったよ。黒崎にはちゃんと学校に来てもらわないと色々と面倒だからなあ」

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