いつか、このどうしようもない想いが消えるまで。


***



どういう心境の変化なのか。

それから黒崎くんは休むことなく学校へ来ていた。


以前と違うのは、サボることもなく真面目に授業を受けていること。

そして、たまに女の子が机を囲むこと。


まぁ……女の子たちが一方的に喋って、黒崎くんは適当に相槌を打っている感じだけど。


あたしとは……隣という位置にいながらも一切会話はなく、間違っても視線はぶつからない。


あたしは所詮、捨て駒だったんだもん。

律くんの浮気疑惑が解決した今あたしなんてもう用ナシで。

眼中にさえ入れてもらえないんだって思い知らされた。


黒崎くんなんて好きじゃない、忘れるの。


……だけど。


想いを消そうとすればするほど、さらに色濃くあたしの胸に染みついていくだけだった。

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