いつか、このどうしようもない想いが消えるまで。
「あたしっ……律くんと付き合って毎日がキラキラしてた。告白されたときは、死にそうなくらいうれしかった……。すごく幸せだった……」
満たされていたはずなのに、未熟なあたしは黒崎くんへ気持ちが傾いてしまった。
「じゃあ……どうして……」
「全部あたしのワガママなのっーー」
「それでも美優を諦められないって言ったら?」
頭上に声が落とされ、顔をあげる。
「美優の気持ちが誰かに向いていたとしても、俺は諦めたくない」
……誰か……。
律くんは、別れの理由がちゃんと分かってる……。
「美優がその人と幸せになれるっていうなら潔く身を引く。でも、美優がその人のことで悲しい顔をしてるのは見たくない」
……律くん。
「そいつが美優を笑顔にしてくれないなら、俺は別れない」
どうしてそこまで……。
「別れたくない……っ……」
その顔は悲しいくらい歪んでいた。
でも、ちゃんと言わなきゃ。
「……ごめんなさい。……好きな人が……出来たの……」
こんな風にあたしから別れを告げるなんて、夢にも思ってなかった。
だけど理由をちゃんと告げないと、終われないし進めない。
あたしも、律くんも……。