いつか、このどうしようもない想いが消えるまで。
のんきに聞かれ、あたしは押し黙る。
誰の話……って。
「なに、もしかして律、浮気してんの?」
すると万葉ちゃんは険しい顔をグッと寄せて声を低く落としたあと、律くんの方に目を向けた。
「いくらモテるからって、美優って彼女がいる身で浮気は許されないよ」
そして今にも掴みかかりそうな勢いで立ち上がるから、
「ち、違うのっ!」
うわああああ、万葉ちゃんやめてやめて!
慌ててその肩を押し戻す。
思わぬ反応に焦りながらも、なんとかごまかしてみた。
「ただ、一般論を聞きたくて……ほんと、参考までに……」
あたしの話だなんて絶対に言えないよ。
まだ怪しい視線を向ける万葉ちゃんだったけど。
「うーん、あたしもよくわかんないけど、人それぞれなんじゃないかな。ふたりきりで出かけるのがダメって子もいれば、気持ちが移ったらっていう寛大な子もいるし。あたしはやっぱり……キスしたらNGかなって思う」