いつか、このどうしようもない想いが消えるまで。

キミを守りたい




その事件が起きたのはそれからすぐのことだった。

朝、登校して教室に入ると、黒板の前に人だかりができていた。



「はあっ!?なんだこれ。ふざけんなよー」


「やってらんねぇな」



輪の中からはそんな声が聞こえてくる。


あたしが登校すれば、ひとたび女子から冷たい視線の洗礼を受けるのに、今朝はどうも様子が違った。

クラスメイト達が見せている苛立ちの矛先もあたしじゃなさそう。

……男子もその中に混じっているから。



「どうしたの?」



自分の席に逃げるように向かい万葉ちゃんにそう聞くと、少し言いにくそうに眉根をさげた。



「黒崎がどうとかって言ってんの。あたしもまだよくわかんない」



胸がドクンと反応する。


少し目を細めて黒板を見ると、何かが貼ってある。


万葉ちゃんには視力が落ちたなんて言っておきながら、ほんとは2.0並みの目の良さ。

一番後ろの席からでも、それがなにか確認できた。



「……っ!」



どうして、こんなものが……。

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