いつか、このどうしようもない想いが消えるまで。
「あー、あたし同中だった友達から聞いたけど塾が一緒らしいじゃん」
「うっわ、ますます怪しい!」
「そういやこの間、黒崎が柏木を抱えて保健室行ってたな!そこでなにか芽生えちゃったとか!」
「えぇっ!?柏木さんが律と別れたのって黒崎が原因だったりして」
静かだった教室は、一気に憶測で飛び交う。
どうしてその話を持ち出すの。
なんで……なんでこんな風になるの……。
「そうじゃないっ……。あたしはただっ……」
「やめろ」
静止させる黒崎くんの声が届いた。
それはクラスメイト達へじゃなく、あたしへ。
……どうして……?
椅子に座ったままジッとあたしを見上げるその目は、痛いほど悲しく突き刺さった。
「……っ、だって、こんなのおかしいでしょ。もう我慢できないよっ……だって黒崎くんはっ……」
「やめろっっっ!!」
今度は強く。
あたしに向けられた視線は、敵意に満ち溢れていた。
"俺とお前はなにも共有しているものなんてない"
"お前にかばってもらう筋合いはない"
まるでそう語っている瞳に、心臓が浮き上がるような感覚を覚えた。
「アンタもバカじゃねえの?
……やっと矛先が変わったっつうのによ」