いつか、このどうしようもない想いが消えるまで。
……え?
矛先って……。
独り言のように放った後半の言葉が気になるけど。
「俺はなんとも思ってねえ。好きなだけやれよ、ガキが」
それからクラス全体にむけて挑発したセリフを吐くと、教室から出て行き……
勢いをつけてまた教室に入ってくると、一番手前にあった椅子を手に取り……
それを教室のドアガラスめがけて思いっ切り投げつけた。
バリンッ…………!!!
「きゃああああっ!!!!」
誰かの悲鳴と共に、ガラスが粉々に砕けて廊下に飛び散る。
……っ、
今、なにした……?
あまりにも一瞬の出来事で、なにが起きたのかわからなかった。
時が止まったように呆然とするクラスメイトたち。
肩で大きく息する黒崎くんは、妖艶な笑みを浮かべると誰にともなく言葉を落とした。
「どうだろうな。さすがにこれは黙ってないか」
そして、そのまま教室を出て行った。
ガクガクと震える足で突っ立ちながらも、その言葉の意味が分かったのはきっとあたしだけ。
こんなことをして、お父さんの耳に入らないわけない……そういうこと……?