いつか、このどうしようもない想いが消えるまで。



「絶対にダメっ!」


「……は?なんでアンタに強要されなきゃなんないわけ?」


「そしたら……あたしが困るからっ……」


「まだ言ってんのかよ、んな無責任なこと。アンタが授業で当てられるとかそもそも俺には関係ねえ話───」


「違うよっ……黒崎くんがいないとほんとに困るのっ……」


「だから席が隣とか───」


「黒崎くんが好きなの……っ!!!」



はぁっ……。


言っちゃった……。

生まれてはじめて告白しちゃった。


呼吸を整えるように胸元をギュッと掴みながら、ただ、黒崎くんの瞳だけを見つめる。

そして、勢いに乗せてもう一度。



「好きだからっ……黒崎くんが学校に来なくなったら、あたし困るの……っ、」



クラスの子たちにどんな嫌味を言われても、反論の言葉なんてグッと我慢して飲み込めたのに。

この言葉だけは、もう抱えるには限界だったの。


コップの水が溢れ出るように。

なみなみまで注がれていた想いが、ついに声として外にこぼれちゃったんだ。



「……」



あたしの突然の告白は、あの黒崎くんをフリーズさせてしまう力があったみたい。


目を剥いたまま、まるで壊れた人形のように微動だにしない。


やがて……

スッと狭めた瞳には、いつもの冷たい色が宿った。



「……んな身勝手な理由、迷惑なだけだ」


「……っ」



そう言ってふいっと顔を背けられれば、あたしの心に冷たい風が吹きすさむ。


まるで、このまま心が割れてしまいそうだった。


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