いつか、このどうしようもない想いが消えるまで。
さすがに立て続けにそんな言葉を投げられれば、虚勢という薄い膜なんてすぐにはがれ落ちて行きそうになる。
弱い自分が、顔をのぞかせる……。
「……そして……これ以上お父様を心配させないで……?」
「……は?」
世界が急に無音になった。
俺の周りだけ、冷たい風が吹き抜けた気がした。
なに言ってんだよ。
……父さんが、心配するだって……?
「ふざけんなっ!父さんに心配なんて一度だってしてもらったことねえよ!兄さんの死を悲しみもしない父さんが俺の心配なんてするわけねえだろっ……!!」
言いながら、自分の気持ちをまた自覚してしまう。
俺は、父さんに気にかけて欲しかったのだと。心配して欲しかったのだと。
そして……そんな俺はやっぱりガキなんだと。
「金をもらったら父さんの味方かよっ!」
「柊哉くんちがうのっ……。これは言い訳みたいでいやだけど……私はあなたのお父様からお金は受け取ってない。それだけは信じてっ……」
「……ウソをつけっ!どうして俺が、アンタが金をもらったことを知ってるか分かるか!?見てたからだよ!アンタが父さんに金を渡されるところを!!」