いつか、このどうしようもない想いが消えるまで。
その青を目に焼き付けながら思い浮かんだのは、何故か柏木の顔。
さっき俺にぶつけてきた言葉に苛立ったのは、どれも的を射すぎていたからだ。
この青のせいなのか、今ならその言葉を素直に受けとめることが出来そうな気がする。
……そうだな。
俺は前に進むことを恐れて、ひねくれていたただのガキだった。
ちゃんと父さんに俺の声を届けていれば、こんなすれ違いなんてしなくて済んだのかもしれない。
俺の身勝手で柏木をかき乱したくせに、そんな俺を柏木は……ちゃんと見ていてくれた……。
見ていてくれたからこそ、俺を苛立たせるほどの言葉をぶつけられたんだ。
そんな柏木に俺は、ひどい言葉を投げてしまった。
「……」
しても遅い後悔に頭を落とすと、バスケで痛めた腕が目に入り、また柏木を連想させて疼く胸。
すっかり傷跡の消えたそこに触れれば、柏木が湿布の上に重ねた手のひらの温もりがまだ残っているように感じた。