いつか、このどうしようもない想いが消えるまで。
その日、移動教室を終えて机の中に手を伸ばすと、いつもはないものが指に触れた。
……また嫌がらせの手紙かな。
その紙を開いてみると、
『放課後、A階段4階の踊り場に来てください』
そう書いてあった。
……呼び出されるのは初めて。
あんな目立つ行動とっちゃったもんね。
あたしへのイジメも、またエスカレートしていくのかな……。
「何それ、もしかしてラブレター?」
隣から和久井くんにニョキッと首を出されて驚いたけど。
「うん、みたいなもの」
余裕があるふりをして答え、慌ててその紙を机の中に押し戻した。
明らかにいい話じゃない呼び出しだと分かったけど、行かなかったところでまた繰り返されるだけ。
神経を逆なでればもっとひどいことになるかもしれない……そう思ったら行かないという選択は出来なかった。
放課後、指示された通りの場所に行くと、どこからともなく4人の女の子が現れた。
「ほんとに来たよ、ウケるー」
「告白されるとでも思ったんじゃない?」
「そうだ、柏木さん男好きだった」
きゃははと笑う彼女達には見覚えがある。
いつもサッカー部を見学している子たちだ。
「アンタみたいな冴えない子が律を振るとか頭おかしいんだよっ!」
ドンッーー
肩を押されて、片足が一歩後退した。
「……っ」