いつか、このどうしようもない想いが消えるまで。



その日、移動教室を終えて机の中に手を伸ばすと、いつもはないものが指に触れた。


……また嫌がらせの手紙かな。


その紙を開いてみると、


『放課後、A階段4階の踊り場に来てください』


そう書いてあった。


……呼び出されるのは初めて。

あんな目立つ行動とっちゃったもんね。

あたしへのイジメも、またエスカレートしていくのかな……。



「何それ、もしかしてラブレター?」



隣から和久井くんにニョキッと首を出されて驚いたけど。



「うん、みたいなもの」



余裕があるふりをして答え、慌ててその紙を机の中に押し戻した。



明らかにいい話じゃない呼び出しだと分かったけど、行かなかったところでまた繰り返されるだけ。

神経を逆なでればもっとひどいことになるかもしれない……そう思ったら行かないという選択は出来なかった。


放課後、指示された通りの場所に行くと、どこからともなく4人の女の子が現れた。



「ほんとに来たよ、ウケるー」


「告白されるとでも思ったんじゃない?」


「そうだ、柏木さん男好きだった」



きゃははと笑う彼女達には見覚えがある。

いつもサッカー部を見学している子たちだ。



「アンタみたいな冴えない子が律を振るとか頭おかしいんだよっ!」



ドンッーー

肩を押されて、片足が一歩後退した。



「……っ」

< 362 / 389 >

この作品をシェア

pagetop