いつか、このどうしようもない想いが消えるまで。
怖い。そう思ったけど反撃出来ないくらい足がすくんだ。
嫌がらせには慣れてるはずだったのに、直接相手に攻撃されるその恐怖は予想を超えていた。
「手加減してあげてれば調子に乗って。次は金持ちに乗り換えるとかマジ最低ー」
ドンッーー
押されるたびに、一歩づつ下がる足。
「律と別れたのにまだ目障りってどういうこと?一回痛い目見なきゃわかんないかな」
ドンッーー
「ドンくさいアンタはここから足を滑らせて落っこちた……と」
ドンッーー
え……?
床につくはずの足が宙に浮いた。
「きゃっ……!!」
後ろ向きだから見えないけど、どうやら踊り場は終わりそこから階段になっていたようで、体が後ろ側に大きく振られた。
落ちるっ……
咄嗟に手を伸ばしてみても、恐ろしい笑みを浮かべた彼女たちが腕組みをしているだけで掴めるものはなにもない。
ああっ……落ちる……!
真っ逆さまに落下すると思った直後、
「何やってんだよっ……!!!」
飛び出してきた黒い影に体を抱きとめられた。
「り、律っ……!」
声を発したのは彼女たち。