いつか、このどうしようもない想いが消えるまで。
いっぱいいっぱいでカッコ悪かったな、って苦笑いする律くんに鼻の奥がツンと痛くなる。
あたしは律くんの気持ちを踏みにじったのに。
突き放すどころかあたしを守ってくれた。
「別れたのに、まだ好きとか言って迷惑だよな」
あたしは首がちぎれそうなほど思いっきり横に振った。
迷惑だなんて思うわけない……。
「美優のこと吹っ切ろうと思ってんのに、口にしたらまた好きが溢れ出しそうで困っちまう。はははっ」
「……っ」
「でも邪魔はしねえから。美優の恋、応援してる。元彼……つうよりかは、友達として!!」
太陽を宿したみたいな明るさには、もう無理なんてなくて。
あたしのよく知る、誰からも愛されていたあの笑顔が戻っていた。
「ありがとうっ、律くん……」
その応援にはきっと応えられないけど。
元彼としてじゃなくて、友達として……あたしが今後気まずくならないようにそう言ってくれた律くんの優しさには、何度ありがとうを言ったって足りない……。
「ほんとにっ……ありがとう……っ……」
お互いの薬指にもうリングはないけど、新しい関係でまた一歩踏みだせそうなあたしたちは、久しぶりに笑顔を交わし合った。