いつか、このどうしようもない想いが消えるまで。
たしかにどんなのか知らないけど、男の子って意外と可愛い理想を描いてたりするんだなぁ。
和久井くんもサッカー部で、律くんと仲のよい友達のひとり。
硬派なイメージとちょっと違い、そんな妄想を抱いている和久井くんがおかしくてクスっと笑っていると。
「てことで、美優ちゃん」
ガバッと顔をあげた和久井くんに突然名前で呼ばれ、背筋がシャンと伸びた。
「俺のためにひと肌脱いでくれない?」
「はい……?」
ひと肌……って?
目の前で両手を合わせる和久井くんに、目をパチパチさせていると。
「おい、俺の美優を気安く呼ぶな」
割って入ってきたのは律くん。
和久井くんからあたしを引き離すように、肩を抱き寄せた。
「……っ」