いつか、このどうしようもない想いが消えるまで。
グラウンドに目を落とせば、みんなに混じって黒崎くんも姿を現して。
やっぱりやる気はないのかたらたら歩いていたけれど。
黒崎くんの足元にボールが来ると……それを靴先でちょんと蹴飛ばした。
あ、いま蹴った!
それで勢いづいたのか、度々パスされるボールを、足首に捻りなんか入れながら上手に返していた。
黒崎くんがクラスメイトの輪に溶け込んでる……。
その表情にも、時折白い歯が見えたりして。
信じられない光景に、窓から見ていたあたしは胸が熱くなった。
黒崎くんがどんどん遠い所に行っちゃうみたいでさみしい気もするけど。
黒崎くんがほんとの自分を見せることが、あたしは一番うれしいの。
フラれても、冷たくされても、あたしはずっと、黒崎くんが好きだから───