いつか、このどうしようもない想いが消えるまで。



繰り返された、あの日やり取り。

やり直せるなんて思ってもみなかった。


黒崎くんはウソだとしても……。


あれから3ヶ月たった今、あたしの素直な感情を乗せたら、そうなっちゃったんだ。

勢いに任せてキスしちゃったけど、もう口から心臓が飛び出しそう……っ。



「……っ、んでそんなに余裕なんだよっ……」



軽く下唇を噛む黒崎くんには、さっきまでの余裕は全く見えない。


……あれ?

からかわれたわけじゃ……ない……?



「つうか、今の言葉まったく信用してねえだろ」


「……え」



顔を赤くしたまま軽く睨まれて、体が強張る。


……今の……黒崎くんの本心なの……?



「じゃあ、あのときと違うことしてやるよ」



そう言うと、あたしを力いっぱい抱きしめた。



「……っ、」



ギュッと抱き締められたその手は、力強くて、でも優しくて温かい。


その熱に溶けるように、体の力もだんだん緩んでく。



「……ほんとに、俺と付き合ってくれんの?」


「……それ……あたしのセリフだよ……?」



だって、あたし、一度はフラれたんだし……。

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