いつか、このどうしようもない想いが消えるまで。
だったら、この先あたしが何度だって名前を呼ぶよ。
呆れられるほど、擦り切れるほどに。
「……柊哉…柊哉…柊哉…しゅう……んっ……」
そんなあたしの唇を簡単に塞ぐ彼は、クールで無愛想でひどい人だったかもしれないけど。
ほんとは不器用でさみしがりや屋の優しい人だってこと、あたしは知ってる。
傷ついて、傷つけて。
涙して、笑って。
やっとたどり着いたこの想いを、あたしは大切にしていきたい。
秘密のキスからはじまったあたし達の関係は、今、カタチを変えて一歩踏み出そうとしてる。
今、この瞬間が。
あたし達のほんとのはじまり───
*秘密のキスから恋がはじまる。*
【fin】