いつか、このどうしようもない想いが消えるまで。
そんな疑問は口にしなくても彼に伝わっているようで。
たぶん戸惑いの色が隠せていないだろうあたしを見て、薄笑いを浮かべる。
…………。
これ、からかわれてる?
まともに取り合っていい話?
「てことで、俺と付き合ってよ」
なのに黒崎くんは戸惑うあたしを置いてきぼりにして、強引に話を進める。
この数分で知った彼は、髪をアッシュブラウンに染め、第3ボタンまで解禁されたシャツを纏い、耳にはシルバーのチェーンピアスをぶら下げ。
染めたことのない黒髪に、スカートだってドキドキしながらの二つ折りが精いっぱいのあたしみたいなタイプ、どうみたって眼中になさそうなのに。
百歩譲って、これが本気の告白だとしても。
こんな軽いノリで言われて真面目に受け止められるはずもなく、あたしは言ってしまった。
「……ごめんなさい……あたし、彼氏がいるの……」