いつか、このどうしようもない想いが消えるまで。
……今ごろ、登校……?
「黒崎くん、今は授業中よ。遅刻したのなら静かに入って来なさい」
朗読をやめて言及した小野先生に目をやることもなく、わざとらしくスリッパの音を立てて席に向かう。
「……!!」
つまりそれはこっちに近づいて来てるってことで、自然と体に緊張が走る。
教科書で顔をそっと隠す。
ガタッ!
再び騒々しい音をたてて黒崎くんが着席する。
引き続き再開する授業。
教科書の英文を追うけど、目にも頭にも入ってこない。
しばらくすると、ピコピコピコ……と気の抜けるような機械音が聞こえてきた。