いつか、このどうしようもない想いが消えるまで。
そんな黒崎くんを冷ややかな目で見るクラスメイト達。
休み時間になっても、黒崎くんに話しかける人は誰もいなかった。
ひとりでふらっとどこかへ出て行き、ふらっと戻ってくる。
クラスに溶け込んでいるとは決して思えない。
むしろ溶け込もうとせず人を寄せ付けないオーラを出していた。
まるで律くんと真逆。
律くんが太陽なら、黒崎くんは月。
存在感がないわけじゃない。
月ほどの存在感はあるくせに、どこか冷たそうにダークな世界に佇んでいそうだから。
「……はあ……」
列を挟んで隣の席。
そんな黒崎くんにもこの先怯えながら過ごさなきゃいけないのかと思うと、ため息はつきなかった。