いつか、このどうしようもない想いが消えるまで。



瞬間、いやな予感がする。



「律の彼女?」




……やっぱり。



それはとても好意的な言い方じゃない。


でもこんな風に言われるの、慣れてるから大丈夫。

言い聞かせて暗示を掛ける。



ただ、気になるのは黒崎くんの視線。


なんとなく即答するのがためらわれて一瞬の間を作ると。


親しげに"律"と呼んだ彼女は、あたしが問いに答える前に得意気に言った。



「あたし、律と同じ中学だったの」


「えっ?律って、もしかして白鳥くん?」



声を掛けてきた子も律くんを知っているみたいで声を合わせる。


さすが有名だなぁ。

なんて思っていると、ドキッとする言葉が続く。



「うん。あなたこの間、律とデートしてた子だよね。あたし街でバッタリ会ったの。覚えてない?」

< 49 / 389 >

この作品をシェア

pagetop