いつか、このどうしようもない想いが消えるまで。



隠すことでもないよね?

あたしには、もうすぐ付き合って1年になる彼氏がいる。


黒崎くんだって知ってるんじゃない?


彼は明るく人気があって、校内でも目立つ人だから。あたしとは……対照的に。



「彼氏、ねえ……」



じりっと距離を詰められ、思わず一歩後退する。



「うっ……」



背中に窓ガラスがぶつかり、まるで追い詰められたかのように胸が早鐘を打った。


チラリ、とあたしの背後に目をやる黒崎くんは。

この3階の教室から見下ろせるグラウンドにあたしの彼氏が居ることも、あたしがここに居る理由も分かっているみたい。




……やっぱり、からかわれてる……?


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