いつか、このどうしようもない想いが消えるまで。
手のひらにジワリと汗が浮かんできて、密かにスカートにこすり合わせたその刹那。
「その彼とはうまくいってんの?」
黒崎くんの手が窓ガラスに伸び、カッターシャツの白が視界を覆った。
その白は、西日に照らされ必要以上に眩しく感じて。
視線をずらせば、すぐそこにある黒崎くんの不敵な瞳とぶつかる。
細く鋭い目は、心にチクリとトゲを残すけど。
……そんなこと、黒崎くんに言う筋合いある?
そう反発したい気持ちを飲みこんで。
「あのっ、そういうことだから……」
そこから逃れようと試みたあたしの体は、あさっり捕まえられた。
……黒崎くんの、唇で。