いつか、このどうしようもない想いが消えるまで。



真横から冷ややかな声が飛んできた。



「……」



そっと首を右側に振ると。


一番後ろの席なのをいいことに、椅子を思いっきり下げて机の上に足を投げ出している黒崎くん。



「いいんじゃねえ?映画、楽しそうで」


雑誌をパラパラとめくっているくせに、どうみてもこの言葉はあたしに投げられている。


わっ……。

今の会話、全部聞かれてたんだ。

隣にいるって全然気づいてなかった……。



「嫉妬がうれしいとか笑える」



鼻で笑う彼に、冷や汗が浮かぶ。


……なんで今、またあたしに突っかかってくるの?


しばらく何も言って来てなかっただけに、戸惑いを隠せない。



「……あ、あの……あたし、黒崎くんになにかしましたか……?」



おどおどしながら問いかけると、黒崎くんは雑誌をパタンと閉じた。


ビクッ……

それだけで萎縮しちゃうあたしは、ほんとうに臆病なんだけど。



「……なにかあるなら……ハッキリ言ってください……」


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