いつか、このどうしようもない想いが消えるまで。
そもそも、"あのこと"をなかったように逃げてるあたしもあたしなんだ。
突然キスしてくるなんて普通じゃありえない。
ちゃんと、その意図を聞かなきゃ。
すこし涙目になりながら思いきって言うと。
黒崎くんがあたしに視線を送って……そのまま斜め上に顔をあげた。
……え。
「どうかしたの?」
はっとして顔をあげるとそこには律くんがいて、あたしと黒崎くんを交互に見下ろしていた。
律くんっ……!!!
な、なんで……。
「美優…!?……おい、おまえ美優になにか言ったのかよ!」
律くんはあたしの涙に気づき、険しい顔で黒崎くんに詰め寄った。
「なあ」
一歩前に足を踏みだして、聞いたこともないような低い声で。
「楽しそうでいいなっつっただけだけど?」
……まさか答えるとは思わなかった。