いつか、このどうしようもない想いが消えるまで。
その間、あたしは飲み物をストローでグルグル回したりして、持て余す時間を過ごしていた。
やがて電話が終わったのか、律くんがスマホをポケットにしまう様子が見えた。
だけど振り返ってこっちに来る律くんは困ったような顔をしていた。
「美優、あのさ……」
言いにくそうにポケットに手を突っ込みながら目を泳がせるその額には、うっすら汗まで滲んでいる。
「うん」
あたしも立ち上がって律くんの次の言葉を待つ。
「悪い、サッカー部内で問題が起きたらしくて今から行かなきゃなんなくなった」
「えっ……。……そう……なんだ……」
残念だな……と思いつつも、サッカー部のことなら仕方ない。
律くんは部内でも中心選手だし、今日サボったという弱みもある。
ここで『行かないで』なんて引き留めるワガママな彼女にはなりたくないから。