いつか、このどうしようもない想いが消えるまで。
さてと、どうしようかな。
塾まではまだまだ時間もあるし、少しお店でも見て回ろうかな。
ドリンクを飲みほした後カフェを出て、ひとりで繁華街を歩く。
さすが休日。
街は人でごった返していた。
前から横から人がやってきて、真っ直ぐ歩くこともままならない。
繋いでくれる手がなくなっただけで、こんなにも不安なんて……。
「わっ……!」
律くんがいない哀愁に浸っていると、案の定、前から来た人とぶつかってしまった。
「チッ」
舌うちされて、少しイヤな気分になりながらもあたしが悪いから謝る。
「すみません……」
頭を下げてから相手の顔を見ると。
ぶつかった相手は、黒崎くんだった……。