いつか、このどうしようもない想いが消えるまで。
どうしてこんな日にまで会っちゃうの……。
「……!!」
驚いたのは黒崎くんも同じだった様で、細い目がいつもより見開かれた。
そして
「ふうん……」
あたしの格好を見て、微妙な声を漏らす。
なにが「ふうん」なのかは分からないけど、失礼な反応には変わりない。
いつもより露出の多い服。黒崎くんに見られるのは正直恥ずかしい。
膝元をバッグで隠したのは無意識だった。
「今日が例の映画か」
……そうだ。
黒崎くんは、あたしが今日律くんと映画を見に行くって知ってるんだ。
教えたくもないのに、隣という不幸な席のせいで伝わってしまったデート。