いつか、このどうしようもない想いが消えるまで。



どうしてこんな日にまで会っちゃうの……。



「……!!」



驚いたのは黒崎くんも同じだった様で、細い目がいつもより見開かれた。


そして


「ふうん……」



あたしの格好を見て、微妙な声を漏らす。


なにが「ふうん」なのかは分からないけど、失礼な反応には変わりない。


いつもより露出の多い服。黒崎くんに見られるのは正直恥ずかしい。

膝元をバッグで隠したのは無意識だった。



「今日が例の映画か」



……そうだ。

黒崎くんは、あたしが今日律くんと映画を見に行くって知ってるんだ。


教えたくもないのに、隣という不幸な席のせいで伝わってしまったデート。


< 79 / 389 >

この作品をシェア

pagetop