いつか、このどうしようもない想いが消えるまで。
咄嗟に窓の外に視線を動かすと。
グラウンドでは、青いユニフォームを着たサッカー部の彼が満面の笑みで手を上に掲げていた。
……どうやらゴールを決めたみたい。
跳びはねて喜ぶ仲間たちに頭をもみくちゃにされた───直後。
ふと、彼が視線をこっちに向けた気がして。
「……っ」
あたしは咄嗟にカーテンに身を隠し、息をひそめながら体を固くした。
イケナイことをしてしまった子供みたいに。
そんなあたしを見て、黒崎くんはフッと口角をあげた。
「彼氏が知ったら、どう思うだろうな」
あたしは今日。
初めて言葉を交わしたクラスメイトに、キスをされた。