いつか、このどうしようもない想いが消えるまで。
その言葉の意味が分かったのは、それから数時間後。
夜9時半。
塾が終わりいつものように少し遅らせてから出ると、外の街灯の下に黒崎くんが立っていた。
「……あ」
"またあとで"
昼間の言葉はこういう意味だったんだ……。
でも、どうして?
黒崎くんは明らかにあたしを待っていたかのように、一歩前に歩み寄ってきた。
そして腕組みの姿勢をくずさないままあたしを見下ろす。
その角度からして、律くんよりも背が高いことを知る。
「一応、弁解しておこうと思ってな」