いつか、このどうしようもない想いが消えるまで。
…………あれ?
ふと足を止めてあたりを見渡すと、現在地がわからないことに気づく。
ここ、どこ……?
適当に曲がれば大通りに出れると思ってたのに。
どんどん入り組んで、へんな路地に入っちゃったみたい。
どうしよ……。
そのとき、後ろから人の気配を感じた。
もしかして黒崎くんがついて来てるのかと思い、少し警戒しながら振り返ると。
そこにいたのは、見ず知らずの若い男の人。
スーツを着てるからこの辺に住んでいる会社帰りの人なのかもしれない。
特に気にせず、とりあえず元来た道を少し戻ろうとすると。
「キミ、ひとり?」
行く手を阻まれた。
「……えっ?」
「可愛いね」
胸元から足、そしてまた胸元へと視線を動かす。
……や。
怖い、逃げなきゃ……そう思った時にはもう手首を掴まれていた。