いつか、このどうしようもない想いが消えるまで。
体は相当火照っていたみたい。
水の軌跡が分かるくらい、体の中がスーッと冷たくなっていく。
ほんとだ、落ち着く……。
「家どこだよ」
ワンピースの土を払い、次に鞄の土を払っているとぶっきら棒に放つ声が聞こえた。
「……え?」
あたしの家を知ってどうするつもり───
「送ってく。ここでまたひとりで放ったあとになんかあったら、俺が気持ち悪いからな」
「……」
言い草はひどいけど。
……それって、心配してくれてる……?
バスで15分もあれば家につくけど、こんな格好でバスに乗りたくない。
だけど……ひとりで帰るのも怖いから。
ひどい人なのかいい人なのかよくわからない黒崎くんに、あたしは甘えることにした。