いつか、このどうしようもない想いが消えるまで。
ドクンッドクンッドクンッ……。
恐怖なのか戸惑いなのか。
原因不明な鼓動が、あたしの胸を激しく打ち付ける。
「……はぁ……っ……!」
息苦しさから逃れるように上に顔をあげると。
逆に見下している黒崎くんの顔とぶつかりそうになった。
今にも唇が触れそうな距離。
あの日の放課後がフラッシュバックする。
「……!!」
学習能力のおかげか、咄嗟にその腕から逃げ出そうとするけど、抱き締められてる力は思ったより強く。
「は、離してっ……!」
逃げられない。
抜け出そうとすればするほど、力が込められていく。
そのとき。
黒崎くんが囁いた。
「もう一回、する?」
見つめあったまま、時が止まる。
「キ、ス」
カタチのいい唇が、そう動いた。