もしもの恋となのにの恋
私みたいな魚
水族館は休日の午前中と言うこともあってほんの少しだけ混んでいた。
そんな中でも特別人目を引く強い光を放つ子がいた。
その強い光はすぐに私の目を射た。
その子は筒形の水槽の前に立っていた。
その筒形の水槽の中では何百匹もの同じ顔をした鰯が意味もなく、ぐるぐると同じ方向を向いて泳いでいた。
まるで私みたいな魚な・・・。
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