もしもの恋となのにの恋
心
プルルルル・・・。
プルルルル・・・。
無機質な電話の呼び出し音に俺の気持ちは妙に急かされた。
まだかまだかと思うほど気持ちは急かされる。
そんな時だった・・・。
「・・・もしもし?」
そう言って出た電話の相手の声は少し震えていた。
そして、それを隠すかのようにその電話の相手は咳払いをした。
それが可笑しくて俺はすぐに返答ができなかった。
こちらまで声が震えてしまいそうだ。
そんなことを心の内で思う。
「・・・よお」
俺は無愛想にそう声を発した。
電話の相手は『うん』と返事をしただけだった。
何かおかしいな・・・。
そんな変な感じがした。
どこか悪いのか?
そう思うと俺はわけのわからない不安に駆り立てられた。
そんなことは滅多にないのに・・・だ。
「・・・少し、いいか?」
俺はとりあえず話を切り出した。
いつもより少し、声が低くなった気がしたが気のせいだろう。
「・・・いいよ。・・・何?」
俺は電話越しの見えない相手を注意深く窺った。
何かがおかしい・・・。
本当にどこか悪いのか?
どこか悪いとすればそれは左側の後頭部だろう・・・。
千鶴はそこに深い傷を負っている。
ドクン、ドクンと俺の心臓は嫌に高鳴った。
大したこと、なければいいが・・・。
「・・・具合、悪いんだろ?」
そう訊ねても俺の気持ちは晴れなかった。
ただ、嫌な感じだけが胸の内で渦巻いている・・・。
返答が遅い・・・。
ただ、返答に困っているだけならいい。
そうでないなら・・・。
「・・・ごめん。・・・何?・・・聞こえない」
俺の心臓はドクンと悲鳴を上げた。
俺の嫌な予感は見事、的中したわけだ。
電波の状態もいいのだから普通なら聞こえないわけがない・・・。
「千鶴、お前、意識はしっかりしているのか?」
少し待ったが千鶴からの応答はない。
千鶴、返事をしてくれ・・・。
俺の心臓はドクン、ドクンと悲鳴を上げ続けている。
「千鶴?・・・千鶴!!」
悲鳴とも怒声とも取れる声が出た。
それでも千鶴からの返答はなかった。
俺は電話を切り、必要な物だけを持って家を飛び出した。
プルルルル・・・。
無機質な電話の呼び出し音に俺の気持ちは妙に急かされた。
まだかまだかと思うほど気持ちは急かされる。
そんな時だった・・・。
「・・・もしもし?」
そう言って出た電話の相手の声は少し震えていた。
そして、それを隠すかのようにその電話の相手は咳払いをした。
それが可笑しくて俺はすぐに返答ができなかった。
こちらまで声が震えてしまいそうだ。
そんなことを心の内で思う。
「・・・よお」
俺は無愛想にそう声を発した。
電話の相手は『うん』と返事をしただけだった。
何かおかしいな・・・。
そんな変な感じがした。
どこか悪いのか?
そう思うと俺はわけのわからない不安に駆り立てられた。
そんなことは滅多にないのに・・・だ。
「・・・少し、いいか?」
俺はとりあえず話を切り出した。
いつもより少し、声が低くなった気がしたが気のせいだろう。
「・・・いいよ。・・・何?」
俺は電話越しの見えない相手を注意深く窺った。
何かがおかしい・・・。
本当にどこか悪いのか?
どこか悪いとすればそれは左側の後頭部だろう・・・。
千鶴はそこに深い傷を負っている。
ドクン、ドクンと俺の心臓は嫌に高鳴った。
大したこと、なければいいが・・・。
「・・・具合、悪いんだろ?」
そう訊ねても俺の気持ちは晴れなかった。
ただ、嫌な感じだけが胸の内で渦巻いている・・・。
返答が遅い・・・。
ただ、返答に困っているだけならいい。
そうでないなら・・・。
「・・・ごめん。・・・何?・・・聞こえない」
俺の心臓はドクンと悲鳴を上げた。
俺の嫌な予感は見事、的中したわけだ。
電波の状態もいいのだから普通なら聞こえないわけがない・・・。
「千鶴、お前、意識はしっかりしているのか?」
少し待ったが千鶴からの応答はない。
千鶴、返事をしてくれ・・・。
俺の心臓はドクン、ドクンと悲鳴を上げ続けている。
「千鶴?・・・千鶴!!」
悲鳴とも怒声とも取れる声が出た。
それでも千鶴からの返答はなかった。
俺は電話を切り、必要な物だけを持って家を飛び出した。