名のない足跡
オレが十五の時、お袋は頑張って働いてたけど、かなり生活は危なかった。
そのうち、お袋は病気がちになっちゃって。
オレが稼ぐしかないかって腹くくったんだ。
とりあえず、村中のいろんな仕事に就いたんだけど、本ッ当才能ないし、面倒くさがりなオレは、すぐクビになっちゃうんだよね。
もって三日。
これもあるイミ才能かなーとか真剣に考えたこともあったぐらい。
とにかく焦ってたんだ、オレ。
何でもいいから、がっぽり稼げる仕事探さなきゃって。
そんで、ちょうど二ヶ月前。
ウェルスの城下町をうろうろしてたら、貼り紙が目に入った。
"臣下募集"
ってゆーやつね。
オレはそんとき、コレだ!って思った。
え、理由?
がっぽり稼げそうじゃん。なんとなく。